〒650-0023
兵庫県神戸市中央区栄町通 4-1-11

新着情報 NEWS

■歯周病はキスでうつる?歯周病のメカニズムを徹底解説

2023.04.18

細菌感染症の一種である歯周病はキスでうつるのか?そんな疑問を持たれている方は少なくありません。虫歯はキスでうつるという話もあるため、パートナーや家族とのスキンシップに不安を感じている方もいらっしゃることでしょう。今回はそんな歯周病に焦点を当てて、感染や発症のメカニズムを藤本歯科クリニックがわかりやすく解説します。

▼「歯周病菌」はキスでうつります

歯周病は、P.g菌に代表される歯周病菌が歯・歯茎の周りで繁殖することで発症する病気で、キスをすることでうつる場合があります。ただしそれはあくまで“歯周病菌”がうつるだけであって、キスをしたからといって相手がすぐに歯周病を発症するわけではありませんので、その点は正しく理解しておく必要があります。とはいえ、唾液を介して歯周病菌がうつることは、相手に不利益を被らせることに違いはないので十分に注意しなければなりません。

▼歯周病になるメカニズム

上でも述べたように、お口の中に歯周病菌が入り込んだだけで歯周病を発症することはまずありません。お口の中が清潔であれば、歯周病菌は唾液の自浄作用によって洗い流されるからです。そこでポイントとなるのが「歯石」です。

◎歯周病は歯石の沈着から始まる?

歯石は、歯垢が石灰化を受けて文字通り石のように硬くなった汚れです。表面がザラザラとしていて、細菌の住処としては最高の環境といえるでしょう。歯石があればお口の中に入り込んだ歯周病菌も歯面に定着できることから、歯周病リスクが大きく上昇します。

◎歯面で細菌が増えて歯茎に炎症をもたらす

歯石および歯面で繁殖した歯周病菌は、歯茎に炎症反応をもたらします。歯茎が赤く腫れる、歯磨きの時に歯茎から出血するのはそのためです。軽度の歯周病に当たる歯肉炎(しにくえん)の状態であれば、完治もさせやすいのですが、放置して歯周炎へと移行させてしまうと治療するのにも苦労します。何より歯茎や顎の骨が破壊されるという、不可逆的な症状が現れてくるので、歯肉炎の段階で治療を始めた方が良いといえます。

▼キスをするなら歯周病を治してから

このように、歯周病菌はキスによって感染が広がることから、歯周病の症状を自覚している人は唾液を介したスキンシップは控えるようにしましょう。少なくとも治療によって歯周病の症状が安定するまでは、キスを我慢した方が賢明です。逆に、パートナーが歯周病である場合は、歯医者さんでの治療を促してあげると良いですよ。そのままの状態でキスをすると、何が起こるのかをわかりやすく説明してあげてください。

▼歯周病は全身疾患を誘発する怖い病気です

歯周病は、歯茎に炎症をもたらし、進行する過程で歯が抜けるだけの病気ではありません。脳梗塞や心筋梗塞、誤嚥性肺炎、糖尿病、認知症など、さまざまな全身疾患との関連が認められる怖い病気ですので、パートナーだけでなく、一緒に暮らすご家族のためにも予防、あるいは早期治療に努めましょう。今回は「歯周病はキスでうつる?」というテーマでしたが、ひとつの料理皿を家族みんなで共有することで歯周病菌がうつる可能性についても知っておく必要があります。

▼まとめ

今回は、歯周病の発症メカニズムについて、藤本歯科クリニックが解説しました。歯周病の原因菌はキスなど、唾液を介したスキンシップでうつることがあります。ご自身が歯周病にかかっている場合は、パートナーやご家族に迷惑をかけないためにも、早期に治療を受けましょう。