■歯周病の進行スピードと悪化した場合の危険性
2023.04.21
歯周病は、全身疾患を併発することもある怖い病気なので、どのくらいのスピードで進行するのか気になるところです。気付いた頃には重症化している「サイレントディジーズ(沈黙の病気)とも呼ばれおり、警戒している人も多いことでしょう。今回はそんな歯周病の進行スピードと悪化した場合の危険性について、藤本歯科クリニックが詳しく解説します。
▼若い人の歯周病は進行スピードが速い?
歯周病は、年代によって進行スピードが変わります。若い人がかかりやすい「若年性歯周炎」は、侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)という病名が付けられていることからもわかるように、進行スピードが極めて速いです。“歯周炎”ということはもうすでに歯周病がある程度、進行しているのですが、そこから数ヵ月で歯茎や顎の骨がボロボロになることもあり得ます。若年性という名前が付いてはいるものの、30~40歳代でかかる可能性も十分にあります。
▼一般的な歯周病の進行はそれほど速くない
すべての年代の人がかかる一般的な歯周病は、数ヵ月で症状が急速に変化することはまずありません。歯茎だけに炎症がとどまっている歯肉炎から、顎の骨にまで病変が広がった歯周炎に移行するまでには、数年を要することも珍しくないです。とくに高齢の方の歯周病は進行スピードが比較的遅いといえるでしょう。とはいえそれは一般論であり、お口の中や口腔ケアの状況によっては、歯周病の進行スピードも大きく変わってきますので、その点は十分にご注意ください。
▼歯周病の進行スピードが速い人の特徴
歯並びが悪かったり、お口の中が不潔であったりすると、歯周病の進行スピードは速くなりがちです。そうした環境では、歯周病菌が繁殖しやすくなっているからです。その他、糖尿病や骨粗しょう症、高血圧症にかかっている、喫煙習慣がある、歯ぎしり・食いしばりをしている人も歯周病の進行スピードが速い傾向にあります。
▼歯周病が悪化した場合の危険性について
歯周病が悪化すると、歯茎から膿が出たり、痛みが生じたりするなどの強い症状が現れ始めます。末期に至ると顎の骨がボロボロになり、歯を支え切れなくなることでしょう。冒頭でも述べたように、歯周病の怖さはそれだけにとどまりません。お口の中で繁殖した歯周病菌が血流に乗ると動脈硬化・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞といった血管にまつわる病気を引き起こします。糖尿病や認知症も歯周病菌が血管に入り込むことで発症リスクが上昇する病気です。その他、歯周病が悪化すると高齢の方は誤嚥性肺炎、妊婦の方は早産・低体重児出産のリスクが高まりますので十分にご注意ください。
▼歯周病は予防・早期治療を心がけましょう
歯周病の進行スピードには個人差が見られますが、いずれも早期に治療を始めることで重症化は免れます。3ヵ月に1回の定期検診を受けていれば、予防することも難しくなりますので、歯周病に悩まされたくないという方はぜひ当院までご連絡ください。当院は歯周病や虫歯の予防に力を入れている歯医者さんです。
▼まとめ
今回は、歯周病の進行スピードと悪化した場合の危険性について、藤本歯科クリニックが解説しました。歯周病は数ヵ月から数年かけて進行していく病気ではあるものの、自覚したころには重症化していることも珍しくありませんので、歯茎の腫れに気付いたらすぐ歯科を受診するようにしましょう。