■大人の虫歯はフッ素で予防!簡単な対策をご紹介
2023.03.27
永久歯は、乳歯と異なり生え変わることがありません。そのため虫歯を重症化させてしまうと、最後には入れ歯やインプラントで補う他なくなってしまうのです。入れ歯やインプラントを入れたからといって、本物の歯と同じように機能してくれるわけでもなく、それぞれの装置には寿命もあります。それだけに自分の歯を一生涯使い続けることが最善とある点は、医療が進歩した現在でも変わりはないのです。今回はそんな大人の虫歯を予防する方法について、フッ素を中心にわかりやすくご紹介します。
▼フッ素の虫歯予防効果は科学的にも証明されている
虫歯予防といえば「フッ素」。これはもはや義務教育で教わる知識と同じくらい常識的なものとなりつつあります。おそらく、皆さんもフッ素による虫歯予防効果に疑問は持たれていませんよね?実際、フッ素による虫歯予防効果は、科学的にも証明されている確かな事実であり、WHOもその活用を強く推奨しています。そのため、大人の虫歯予防でも積極的にフッ素を活用していきたいものです。
▼大人の虫歯予防へのフッ素の活用方法
大人の虫歯予防にフッ素を活用する方法は、主に2つあります。
◎フッ素入り歯磨き粉の使用
誰もが毎日行えるフッ化物の応用法としては、フッ素入り歯磨きの使用が挙げられます。そもそもドラッグストアや薬局、スーパーなどで販売している歯磨き粉の9割にはフッ素が配合されているとも言われており、特別なこだわりや理由がなければ、フッ素入り歯磨き粉を使用していることでしょう。ちなみに、フッ素入り歯磨きに配合されているフッ化物の濃度は、製品によって大きく異なります。現状、日本では歯磨き粉に1,500ppmまでフッ素を配合して良いことになっているため、その値に近い製品を選ぶと良いでしょう。現実的には1,450ppmのフッ素を配合している歯磨き粉が販売されているかと思います。
◎歯科医院でのフッ素塗布
大人の虫歯予防で是非とも行っていただきたいのが歯科医院でしか受けることができない「フッ化物の歯面塗布」です。約9,000ppmのフッ素が配合されたジェルを歯の表面に塗布する処置で、虫歯予防効果が極めて高くなっています。3ヵ月に1回の定期検診・メンテナンスの際に、フッ素塗布も併せて受けることで虫歯になりにくい強い歯を作れますよ。
▼フッ素が虫歯予防に効果があるのはなぜ?
ここまで、大人の虫歯予防にフッ素が効果的である事実と、実用的な方法について解説してきましたが、フッ素がどのようなメカニズムで歯を強くするのかはよくわかりませんよね。
◎フッ素は歯を硬くする
フッ素は、歯を硬くする「再石灰化(さいせっかいか)」という現象を促進する働きがあります。酸性の刺激によって脱灰(=歯が溶ける現象)した歯をリンやカルシウムを取り込むことで元の状態へと戻します。その結果、歯が硬くなるのです。
◎歯を強い構造に作り変える
フッ素にはもうひとつ重要な作用があります。それは歯が再石灰化する過程で、フルオロアパタイトという特別な構造に作り変える作用です。歯は本来、ハイドロキシアパタイトという構造で成り立っているのですが、そこにフッ素が加わることでフルオロアパタイトに変化し、酸への抵抗力が高まるのです。
▼まとめ
今回は、大人の虫歯にはフッ素が有効であることを藤本歯科クリニックが解説しました。もちろん、これは子供の虫歯予防にも応用可能ですので、小さなお子さまがいらっしゃるご家庭では、ご家族みんなでフッ素を活用していきくことをおすすめします。