今回は、お口の中にできる悪性腫瘍「口腔がん」の予防法と最新の治療法についてお話しします。口腔がんは、口の中、唇、舌、歯肉、口蓋、咽頭など、口腔内のいくつかの部位で発生するがんです。早期発見・早期治療が非常に重要であり、適切な予防法を知ることで、リスクを大幅に減らすことができます。

▼口腔がんのリスクについて

まずは、口腔がんの主なリスク因子についてお話ししましょう。喫煙、アルコールの過剰摂取、日光過敏症、口腔内の慢性的な炎症、ウイルス感染（ヒトパピローマウイルス）、遺伝的要因などは、口腔がんの発症リスクを高めることがわかっています。

▼口腔がんを予防する方法について

口腔がんの予防に関しては、以下の点に注意することが重要です。

喫煙習慣の改善：喫煙は、口腔がんの最大のリスク要因です。禁煙を行うことで、がんのリスクが大幅に減少します。

アルコールの適量摂取：アルコールの過剰摂取も口腔がんのリスクを高めるため、適量を守るようにしましょう。タバコと違って完全にやめる必要はありません。

日光対策：唇に過剰な紫外線が当たることが口腔がんのリスクを高めるため、日差しの強い時期には帽子や日傘、日焼け止めを使用して紫外線を遮ることが重要です。

HPVワクチンの接種：HPV（ヒトパピローマウイルス）感染が口腔がんのリスクを高めることがあるため、ワクチンを接種することを検討してください。若年層の口腔がん患者さんほど、HPV陽性であることが多いです。

栄養バランスの良い食事の摂取：抗酸化物質やビタミンが豊富な果物や野菜を多く摂取することで、口腔がんのリスクを低減することができます。特にビタミンA、C、Eなどは抗酸化作用があり、がん予防に役立ちます。また、食事のバランスを考慮し、過度な肉類の摂取を避けることも重要です。

▼口腔がんの治療法について

それでは、口腔がんの治療法について、最新のものも含めて解説します。

外科的切除：口腔がんの初期段階では、手術でがん細胞を取り除くことが一般的です。近年の技術進歩により、切除範囲を最小限に抑えることが可能となり、機能や外見の維持が向上しています。

放射線治療：手術が困難な場合や、手術後の再発防止のために放射線治療が用いられます。最新の放射線治療技術により、健康な組織へのダメージを最小限に抑えることができます。

化学療法：口腔がんの進行が早い場合や、他の治療法と併用して行われることがあります。最新の薬剤により、副作用の軽減と効果の向上が期待できます。

免疫療法：免疫システムを活性化し、がん細胞を攻撃する力を向上させる治療法です。免疫チェックポイント阻害剤などの新薬が開発されており、効果が期待されています。

分子標的治療：がん細胞の特定の分子標的に作用する薬剤を用いる治療法です。健康な細胞への影響を最小限に抑えつつ、がん細胞の増殖や転移を阻止することが可能です。

▼口腔がんは早期発見・早期治療が重要

口腔がんの早期発見のためには、定期的な歯科検診が非常に重要です。歯科医師は、口腔内の変化や異常を見つける専門家です。口腔がんは初期段階では痛みや明らかな症状がないことが多いため、定期検診による早期発見が助けとなります。

▼まとめ

今回は、口腔がんの予防法と最新治療法について、藤本歯科クリニックが解説しました。口腔がんは、早期発見・早期治療が重要となりますが、予防するに越したことはありません。健康的な生活習慣を維持し、定期的な歯科検診を受けることが、口腔がんのリスクを大幅に減らすことに繋がります。

皆さんも口腔がんの予防法を実践し、健康な口腔内を維持することで、より快適な毎日を過ごせるように頑張りましょう。お口の症状で少しでも不安に感じることがあれば、お気軽に当院までご相談ください。ていねいに検査いたします。