■キスで虫歯はうつる?口腔内細菌の感染について解説
2023.04.22
細菌は、人から人へとうつるものが多いです。私たちが普段から石けんを使った手洗いやアルコールによる手指消毒に努めているのは、細菌やウイルスを人にうつさない、あるいは人からうつされないために行っていますよね。それはお口の中も例外ではありません。お口の中には虫歯菌を始めとした口腔内細菌が無数に存在しており、手指と同様、人から人に感染を広げるリスクがあります。今回はそんな口腔内細菌の感染について、藤本歯科クリニックがわかりやすく解説します。
▼虫歯菌はキスでうつるのか
始めに、虫歯菌がキスによってうつるのかどうかについてお答えします。結論から言うと、虫歯菌はキスでうつることがあります。ただし、虫歯になっている人とキスをしたからといって、即座に虫歯を発症するわけではありませんので、その点はご注意ください。虫歯は少し特殊な細菌感染症なので、発症メカニズムもそう単純ではないのです。
◎乳幼児とのキスには十分な注意を
私たち大人のほとんどは、お口の中に虫歯菌が住み着いています。ミュータンスなどはいわゆる常在菌の一種であり、今さらキスをしたからといって虫歯リスクが大きく上昇することはありません。一方、まだ歯が生えそろっていない乳幼児に関しては、虫歯菌に感染していないことから、大人とのキスには十分な注意が必要といえます。1歳半から2歳半の「感染の窓が開く時期」に虫歯菌への感染を免れると、それ以降、虫歯の発症リスクが大幅に減少することがわかっているのです。
▼歯周病菌はキスでうつりやすい?
歯周病は、虫歯よりも発症メカニズムがシンプルな病気です。歯の表面に歯垢や歯石がたまっていればそこで繁殖して、歯茎に炎症をもたらします。ですから、歯周病を発症している人は、パートナーや家族のためにもまず歯周病治療を受けることをおすすめします。もちろん、虫歯も早期に治療するのが望ましいですが、歯周病は虫歯以上に厄介な側面が多い病気であるため、軽視するのは良くありません。
▼まとめ
今回は、虫歯菌や歯周病菌の感染について、藤本歯科クリニックが解説しました。口腔内細菌は基本的にキスでうつりやすいので、お口の中が不潔になっていたり、虫歯や歯周病を発症していたりする場合は、食器の共有なども控えた方が良いです。